新型コロナウイルス感染症の流行もあり、2020年はLINEヘルスケア・first callなどオンライン診療・健康相談サービスが流行しました
医師の場合そうしたサービスで回答を行うことで、副収入を得ることができます
ブームは去りましたが、2020年の結果をまとめておきます
2020年 遠隔医療での副業収入は600万円弱でした
遠隔診療とは
遠隔診療とはその名の通り、インターネットを通じて診療を行うものです。
詳しく分類するとオンライン診療・健康医療相談などに分類されます。
メモ 遠隔診療の分類
オンライン診療・オンライン受診勧奨・遠隔健康医療相談に分けられます
簡単に説明すると、”診断”や"処方"をするとオンライン診療扱いになりますが、
「この症状では一般的にこのような病気が考えやすい」と情報提供する
のがオンライン健康相談です
要はなにか健康に関する悩み事がある人に対してオンラインで情報提供を行うのが基本
とくに医師の場合、健康・医療のスペシャリストとして需要があり参入障壁も高いため、比較的給与面で恵まれています。
時間・場所を問わずにPCがあれば可能なこともメリットです
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【月10万円〜】医師副業としての遠隔医療のススメ
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遠隔診療での副業
- チャット・テキストで健康相談に回答
- PCがあれば時間や場所を問わずに仕事が可能
- 医師免許が必要で参入障壁が高いため、給与面で恵まれている
- 収入は作業量に比例し、伸びしろは少なめ
LINEヘルスケア
LINEヘルスケア株式会社は、8000万人のユーザを抱えるLINEと、27万人の医師会員を抱えるエムスリーが共同出資した会社です
質問では30分の間相談に答えていく形が基本となります。相談者側の画面だと普通のLINEと同じ様に表示されるので、チャット形式になります。
LINEヘルスケアについて、詳しくは下記の記事で書いています。
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【オンライン診療】LINEヘルスケアで月10万円の副収入を目指す
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2020年LINEヘルスケアでの副業収入は342万円(相談件数2,200件ほど)でした
LINEヘルスケアは2020年9月で実質終了
LINEヘルスケアは無料相談可能でしたが、2020年10月から有料となりました
サービス無料提供終了のお知らせ : LINEヘルスケア公式ブログ
このため10月以降は利用者が激減しています
first call
first callはメドピアの連結子会社であるMediplatの事業です
仕事の内容としては相談者の質問に対しテキスト回答を行うことになります。
23歳男性
以前から時折心窩部の痛みがある。吐き気などはないがすぐ受診したほうがよいか
↓
医師
胃潰瘍などが考えやすいかと思います。その場合は胃酸を抑える飲み薬が有効ですので、症状が続くようなら一度消化器内科を受診されると良いでしょう。
ただ腹痛などが強いわけでなければ、今すぐの受診は必要ないかと思います。
だいたいこんな感じですね
回答者(医師)に対して相談者(患者)から返信があることもありますが、8割程度の相談では1回のやり取りで終了するため一問一答が基本となります。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
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【オンライン診療】first callで月15万円の副収入を目指す
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2020年first callでの副業収入は256万円(相談件数7,800件)でした
こちらも有料化にともない相談件数は激減しています
オンライン健康相談 2020年 まとめ
2020年はオンライン健康相談サービスで600万円弱の副業収入が得られました。
ただ収益表を見てもわかるとおり、すでにブームは去っており2021年になってから開始する意味は薄いでしょう
1年間オンライン健康相談に携わる中で、色々な学びがありました
オンライン健康相談から学んだこと
- 国の政策に乗ったものは強い
- 早期参入者は強い
- 固定費が少ないことは大切
国の政策に乗ったものは強い
2020年にオンライン健康相談がブームになった背景に、国の後押しがあります
新型コロナウイルス感染症が流行したため、健康不安を遠隔で医師等に無料で相談できる健康相談窓口が設置されたのです
「令和2年度補正遠隔健康相談体制強化事業」の委託先が決定しました – Gov base
上述したLINEヘルスケア・first call(Mediplat)ともに上記事業の対象となりました
この補助金によって、利用料が無料→相談件数が増える→医師の収益が増加するという環境が生まれていました
ただ先述通り2020年10月で補助金はなくなり、サービス利用が有料化
有料化に伴い、10月以降の相談件数は98%減となりました(自分の場合)
逆に以前は収入が得られたものの、規制が入って終わってしまった例もあります
- 携帯キャリアMNP(MNP乞食):2019年10月の2万円規制で終了
- 民泊:2018年6月の180日ルールで終了
ここからの学び
ポイント
国のルールに逆らう事業は潰され、後押しがあれば流行する
早期参入者は強い
自分はたまたま、LINEヘルスケアに2019年11月のβテスト時から参戦していました
当初は医師ユーザーが少なかったこともあり、現在よりも高い報酬形態でした
LINEヘルスケア | βテスト時 | 正式版 |
いますぐ相談 | 2,500円/件 ※別途2,000円/1時間の待機料金 |
1,400円/件 |
あとから相談 | 1,000円/件 | 700円/件 |
LINEヘルスケアもfirst callも医師ユーザー増加に伴い単価が3〜4割ほど下がりました
また早期参入には
早期から参戦している→相談件数が増える→人気が出てさらに相談件数が増える
という好循環もありました
ここで重要なのは、自分の相談件数が多かったのは決して自分の経歴や実力があったからではないということ
医療は患者と医療者における情報の非対称性を利用した職業です
医師の実力を客観的に測定する指標がないため、相談件数という積み上げ型の指標で戦うことができたのが勝因でしょう
ポイント
早期参入メリットは大きい→面白そうと思ったら即座に行動すること
固定費が少なければ継続しやすい
オンライン健康相談に必要なのは、PCとインターネット環境だけです
大きな固定費が必要ない分、損益分岐点が低くなり撤退リスクが下がります
ポイント
固定費の少ないビジネスは強い
完全に下火となったオンライン健康相談ですが
- 固定費が少ない
- 他の業務の合間にできる
- 事業所得として計上可能(経費が利用可能)
といったメリットはまだ残っているため、今後も細々と続けていきたいと思います
ただ金額も少ないため、結果報告は今回の記事で最終の予定です