遠隔医療での副収入

2020年8月 遠隔医療での副業収入は50万円でした

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新型コロナウイルス感染症の流行もあり、ここ数ヶ月でLINEヘルスケアfirst callなどオンラインでの診療・健康相談サービスが飛躍的に発展してきました。

医師の場合そうしたサービスで回答を行うことで、副収入を得ることができます。

私も実践しているので、2020年8月の収入状況について公開していきます。

先月分はこちら

2020年7月 遠隔医療での副業収入は89万円でした

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2020年8月 遠隔医療での副業収入は50万円でした

遠隔診療とは

遠隔診療とはその名の通り、インターネットを通じて診療を行うものです。

詳しく分類するとオンライン診療・健康医療相談などに分類されます。

メモ 遠隔診療の分類

オンライン診療、オンライン受診勧奨、遠隔健康医療相談というのは少しずつ異なっています。

簡単に説明すると、”診断”や"処方"をするとオンライン診療扱いになりますが、「この症状では一般的にこのような病気が考えやすい」などと情報提供をするのがオンライン健康相談です。

詳しく知りたい方は厚生労働省のオンライン診療の適切な実施に関する指針を読まれると良いでしょう。

詳しい分類はともかく、なにか健康に関する悩み事がある人に対してオンラインで情報提供を行うというのが基本スタンスです。テキストベースで診療を行っているイメージで良いでしょう。

回答側に回ることで、報酬を得ていくことが基本となります。

とくに医師の場合、健康・医療のスペシャリストとして需要があり参入障壁も高いため、比較的給与面で恵まれています。

時間・場所を問わずにPCがあれば可能なことからも、副業としてオススメです。

【月10万円〜】医師副業としての遠隔医療のススメ

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遠隔診療での副業

  • チャット・テキストで健康相談に回答
  • PCがあれば時間や場所を問わずに仕事が可能
  • 医師免許が必要で参入障壁が高いため、給与面で恵まれている
  • 収入は作業量に比例し、伸びしろは少なめ

LINEヘルスケア

LINEヘルスケア株式会社は、8000万人のユーザを抱えるLINEと、27万人の医師会員を抱えるエムスリーが共同出資した会社です。

LINEヘルスケアでは2019年11月から遠隔医療の一環としてオンラインでの健康相談サービス(遠隔健康医療相談)を実施しています。今後は処方も可能な本格的なオンライン診療を導入予定とのことです。

LINEヘルスケアでは30分の間相談に答えていく形が基本となります。相談者側の画面だと普通のLINEと同じ様に表示されるので、チャット形式になります。

LINEヘルスケアについて、詳しくは下記の記事で書いています。

【オンライン診療】LINEヘルスケアで月10万円の副収入を目指す

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2020年8月のLINEヘルスケアの収入は50万円(いますぐ相談約310件・あとから相談約90件)でした。

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これまでの推移は下記の通りです。

LINEヘルスケア 3月 4月 5月 6月 7月 8月
収入 62万円 44万円 33万円 51万円 44万円 50万円

まとめとLINEヘルスケア 炎上について

2020年8月は遠隔医療での副収入合計は50万円でした。

先月まではfirst callとLINEヘルスケアの2本立てでしたが、かかる時間を減らす目的もあってLINEヘルスケアに一本化することにしました。

さてそのLINEヘルスケアですが、8月は炎上騒ぎで話題になりました。

LINEヘルスケア、登録医師が「利用規約違反の行為」と謝罪 「低レベル」などと発言? | ハフポスト

そめくろ
誰がみても叩きやすい発言はNGです

ただ半年以上回答医師として登録している私からすると、根本的な問題が多くこのような問題が発生してしまったのかと思います

  • 医師の給与体系が安すぎる (2,800円/1h)→質が下がる
  • ユーザーは無料期間中→質が下がる
  • 評価/レビュー制度が困難:構造的に医師と患者との情報格差が大きい

医師サイドから見た問題

医師サイドから見た一番の問題点は給与体系が安すぎるという点です。

30分間の時間拘束がある「いますぐ相談」1件の成果報酬は現在1,400円→時給換算で2,800円です。

時給2,800円というと、医師になる前の医学生時代の家庭教師アルバイトの時給より低いです(3,500〜5,000円程度が相場)。

時給:外来診療なら10,000〜15,000円程度, 寝当直(寝るだけでほぼ呼ばれない当直業務)でも4,000〜5,000円程度

この値段設定ではレベルの高い臨床医は来ませんし、回答するにしても本気で取り組む対象にはならないでしょう。

「空き時間や寝当直の間サクッと質問に答える」使い方以上に熱を入れて取り組むのは難しく、働く側のメリットが乏しいと感じます。

※ただ給与所得ではなく雑所得/事業所得として扱えるので、経費(通信費・PC代等)が利用可能な点はメリットです

ユーザー側の問題

現在無料期間中なこともあってユーザー側の質も低く感じられます。

具体的には「自分はこの症状で困っていてこの点が質問したい」という最低限の点が明確でない人が多い印象です。

例:

「3日前から37度台前半の微熱があります。」は事実を伝えているだけで質問になっていない(50%はこんな感じ)

「3日前から37度台前半の熱があります。ずっと家にいるのですが、新型コロナウイルス感染症ということはあるのでしょうか?」は質問

相手も時間を使っているわけなので、最低限疑問点を明確にしてからサービスを利用してほしいというのが本音です。

(お金を貰って回答している私が言うのも変ですが…)

ただこうしたことは実際の外来診療でもよく思うので、そもそも日本人が全体的に質問力が低いという話かもしれません

医療業界の構造問題

医療業界は専門性の高い医師が患者に情報提供や治療を行って収益を上げることが基本構造となっています。

医師は最低でも6年間の医学生時代+2年間の初期研修で8年以上(おおよそ5,000〜7,000時間以上)を経ているので、患者との情報格差は圧倒的です。

このような環境下では、医学的な妥当性よりも「親身になって対応してくれた」「優しい声かけだった」というような抽象的な点でしか評価されなくなります。

Amazonのような一般的なレビューシステムが機能しないため、医師のレベルを担保することが難しい状況にあると思われます。


炎上問題や構造問題を抱えたLINEヘルスケアですが、私としては事業所得の一環として粛々と質問に答えていきたいと思います。

医師側からも患者側からも、今後よりよいサービスとなっていくことを期待したいです。

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