「正しい家計管理」という本を読みました
一般的な家計管理本とは少し変わった観点で「お金を使う力」を考える本です
- 支出を無理して減らすのは続かない
- やりたいこと・幸せなことは何か考えて、予算案を作る
- 使ったお金を振り返って、効果的な使いみちだったか考える
自分もいくつか実践しているため、読んで印象に残った点を紹介します
「正しい家計管理」書評・レビュー
家計管理の目的は幸せの追求である
支出管理の本は「いかに節約して出費を減らすか」が主体になりがち
しかしこの本では"正しい家計管理"の目的は下記だと言います
正しい家計管理とは
- 家計管理の目的は自分と家族が、現在も未来も幸せに暮らすこと
- そのために節約ではなく「支出」に注力する
- 「価値あるお金の使い方」をよく考えて支出を決める
節約ではなく支出、そして支出から得られる幸せにフォーカスするのが本書の特徴です
年間支出を予測することは大切
家計管理の前に、資産状況や収入・支出を予想することがスタート地点
偶然ですが、自分も1週間ほど前に資産把握&支出チェック、2021年の予算を考えていました(本を読む前)
-
【家計簿公開】2020年の資産推移・収入支出を振り返る
続きを見る
2021年の予算案
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2021年なので目標を立てた【7年後に1億円】
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もちろん不確定要素も多いのですが正確でなくてもよいのでとりあえず考えることは大事
考えないと何もわかりませんし、予想と違ったら後で軌道修正すればよいわけです
特別費もしっかり見積もる
本書では、毎月かかるお金と特別支出(旅行費や車の税金)はほぼ半々という家庭が多いと書かれています
自分も昨年分を振り返ってみて、たしかにほぼ半々でした
2020年 | 支出額 | 割合 |
毎月かかるお金 (住居・食費・水道光熱費・交通費等) |
¥247.4万 | 48.9% |
特別支出 (旅費・結婚関連・家電・歯列矯正等) |
¥258.3万 | 51.1% |
合計 | ¥505.7万 | 100% |
しかし、自分の中で特別支出は
- 家計簿アプリの予算機能は標準で特別費を含まない仕様
- 「1回だけだし、多少お金かかっても良いか…」
と大雑把な扱いになりがちでした
これだけ大きいので、特別費も可能な限りすべて洗い出して予算案に組み込むことが大事と筆者は勧めています
完全に同意ですね
予算は1ヶ月ごとではなく1年単位で考える
特別支出の発生タイミングがバラバラなので、
予算は1ヶ月ごとではなく1年間単位で立てる
ことが推奨されています。
ただ1年間に1回だと見直しができないので、半年ごとに見直すのがオススメということ
収入・支出の予測
- 1年間の収入予測・支出予測を立てる
- 固定費だけでなく、特別費も予想して支出予測に加える
→正確な支出予測に近づく - 予算(支出)案は1ヶ月ではなく1年間単位で
(毎月の収支にこだわりすぎない)
やりたいことを考えて、予算を割り振る
やりたいことベースの予算決定
収入から固定費や貯蓄を除くと、残りの予算を使うことができます
本書で勧められているのが
やりたいことベースで費目を作成してしまう
ことです
つまり「日用品」「交際費」などのあらかじめ決められた品目ではなく、「カフェ費」「サッカー費」のような分類です
こうすることで、思考回路を変えることができます
- × 決められた品目内でやりくりする:やらされている感
- ○ やりたいことで予算を埋める:使いみちを考えるのが楽しくなる
将来振り返ったときに知りたい費目を分けておく
例えば教育にいくらかかったか、習い事にいくらかかったかが知りたければ「教育費」「サッカー費」のように分類するのも手です
こうすることでどのくらいお金を使って、どのくらい結果が得られたかが把握できます
予算案の決め方
- "やりたいこと"ベースで支出を決める
- 費目を分けることで、資金に見合った結果が出たかの効果判定がしやすくなる
現金主義は難しいのでキャッシュレス決済併用がオススメ
管理の実践方法として、本書では下記の方法を推奨しています
- 入金専用口座・支払い専用口座を作る
- すべての支払いは支払い専用口座を通す
- 月の予算を封筒(「食費」「服飾費」など)に入れる
- 封筒内の予算で上限管理をする
ただ、
現金管理をするのは現実的ではない
と自分は感じました
例えば先月の支出のうち、生鮮食品以外はほぼネットショッピングで購入しています
これを現金支払い or 実店舗購入にすると多々問題があります
現金主義の問題点
- 代引きにすると手数料がかかる
- 日中家に居ないので、代引きだと商品を受け取れない
- 実店舗で購入すると、移動時間がかかる
- レシートを貰い、家計簿アプリに入力する時間がかかる
筆者の主張
- 「封筒での現金管理で、予算を越えていないかどうか視覚的に分かる」
- 「クレジットカードはお金を使った感覚が乏しくなり支出が増える」
筆者の主張もわかりますが、デメリットを打ち消せるとは思えませんでした
2016年のSuica搭載iPhone, 2018年のPayPay, 2019〜2020年のキャッシュレス消費者還元還元と、ここ数年の急な変化はあります(本書は2014年出版)
キャッシュレス決済を利用しつつの予算管理が、自分に合っていそうです
マネーフォワード MEはショッピングサイトやクレジットカードと連携し、品目を自動入力してくれます。支出把握の強い味方です
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【資産管理】マネーフォワードのススメ【家計管理】
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実際の支出を月ごと・年ごとに振り返る
予算を立てて実際の支出を把握したら、予算と実際の支出に差があるかをチェックします
ここで予算と実際の支出を比較して
支出振り返りのポイント
- 「日々の無駄遣い」を見直し支出を抑えるのではなく、予算を見直す
- 予算の段階で不要なものを取り除き、自分が使いたいものにお金を集中させる
ことを筆者は強調しています
「苦しみながら支出を減らす」「楽しめるものにお金を使う」
結果は同じでも、捉え方次第で前向きに取り組めるかどうかが変わってきます
まとめ:「使う力」の本
家計管理の本は、「どう節約して支出を減らしていくか」に焦点を当てた本が多いです
しかし本書のコンセプトは、「自分の価値観を見直し、本当にやりたいことに予算を割り振ってお金を使おう」というものです
「お金の大学」(リベ大書籍)の"お金にまつわる5つの力"でいうと「貯める力」より「使う力」ですね
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【リベ大書籍】「本当の自由を手に入れる お金の大学」まとめ・要約と感想
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なお今回はあまり書きませんでしたが、「預金は先取りで行う」「支出を削る際は固定費を見直す」のような貯める力の話も本書ではしっかり書かれています
「正しい家計管理」のまとめ
- 資産の把握・支出の把握をすることは必須
- 1年間の収入・支出を予想して予定表を作る(特別費も加える)
- 予算を割り当てるときは"やりたいこと"主体で考える
- 支出を見直し、使ったお金と得られた価値のバランスが取れていたか振り返る
私は4月から結婚・同居に伴い、夫婦共同の家計簿になる予定です
二人での家計管理の参考になればと思い、今回この本を読みました