楽天サービスの一つに、ネットバンクの楽天銀行があります。
実店舗主体の大手メガバンクと異なり、実際に店舗へ足を運ぶことなく入金や振り込みが可能です。
それ以外にも楽天市場でのポイント還元が+1%になる、普通預金金利が0.1%(メガバンクの100倍)と高いなど、複数のメリットがあります。
今回は楽天銀行のメリット・デメリットや、実際に口座開設の際迷いやすい「どのキャッシュカードを作るべきか」について解説していきます。
楽天銀行のススメ メリット/デメリット イオン銀行との比較
キャッシュカード比較
楽天銀行のメリット
楽天銀行のメリットは大きく4つあります
- 他行振込手数料無料のハードルが低い
- 提携ATMが充実しており、ATM手数料無料のハードルも低め
- 普通預金金利が0.1%と高め
- 楽天市場でのポイント還元率+1%:SPU対象
他行振り込み手数料無料のハードルが低い
給与振込口座を楽天銀行に指定すれば、楽天銀行以外の銀行(他行)への振込手数料が月3回まで無料になります。
勤務先によっては振込口座の銀行指定があることがありますが、多くの場合は問題がないでしょう。
難しければメイン勤務先ではなく、アルバイト先の給与振込口座を変更するのも手です。
メモ
給与振込口座でない場合、後述のATM手数料と同様銀行残高に応じて無料回数が決定されます。
10〜50万円で1回/月、50〜100万円で2回/月です。
手数料は確実なコスト
例えばメガバンクの三菱UFJ銀行では他行宛ての場合3万円未満なら220円, 3万円以上なら330円の手数料がかかります。
毎月8万円の家賃を銀行振込する際を考えれば、楽天銀行かUFJ銀行かで330×12≒4,000円/年近く変わってきます。
以前下記の記事でも書きましたが、削れる固定費は徹底的に削ることが大切です。最初に移行するのはやや面倒ですが、一度移行すれば後の負担はわずかです。
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他行振込手数料をなくすことで、ストレスなく生活費を下げることができる
提携ATMが充実 ATM手数料無料のハードルも低め
楽天銀行はネットバンクのため、大手銀行と異なり自社のATMはありません。
ただ三菱UFJ・みずほ・ゆうちょなどの大手や、セブン銀行・ローソン銀行・イーネットATM(ファミリーマート デイリーヤマザキ)・イオン銀行(ミニストップ)等のコンビニATMと提携しており数は豊富です。
こうした提携ATMは通常だと手数料がかかりますが、楽天銀行の残高ないし取引件数に応じて無料で使える回数が増えます(ハッピープログラム)。
最大で月7回ですがランクに応じて変わります
- 銀行残高100万円以上(VIPランク) 月5回まで無料
- 銀行残高50万円以上(プレミアムランク) 月2回まで無料
そこそこ使うようになれば、上記辺りに落ち着く方が一番多いかと思います。
普通預金の金利が0.1%と高い (300万円まで)
楽天銀行では普通預金の金利が0.1%と高めです。メガバンクは0.001%なので100倍です
ただ条件が1点あり、楽天証券で口座開設をしてマネーブリッジ(証券↔銀行の資金移動が簡単になるサービス)を設定する必要があります。一度設定すれば終わりです
楽天証券はネット証券で一番無難な証券会社のため、開設をおすすめいたします。
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楽天証券での口座開設のススメ【NISA】【iDeCo】
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とくに楽天カードで投資信託を購入するとポイントが得られるキャンペーンが熱いです。
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【楽天証券】楽天カード クレジット決済でポイントを貯めながら積立投資【インデックス投資】
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以下追記(2022/1/12)
2022/4〜楽天銀行の金利が改定され、300万円を越える部分では金利が0.04%へと低下することになりました
具体例として、1,000万円/2,000万円の預金がある場合を載せておきます
楽天銀行の利子計算(税引前) | 預金額1,000万円 | 預金額2,000万円 |
全金額において金利0.1%の場合 (〜2022/3/31) |
10,000円/年 | 20,000円/年 |
〜300万円まで0.1%、それ以降0.04%の場合 (2022/4/1〜) |
5,800円/年 | 9,800円/年 |
2022/4/1〜の実質金利 | 0.058% | 0.049% |
金利改定による差額 | -4,200円 | -10,200円 |
ペイオフ上限である1,000万円であれば4,000円程度の差ですが、それ以上では結構差が付きます
1,000万円以上の預金を入れる場合は分散させた方がよいでしょう
楽天市場でのポイント還元率が+1%:SPU対象
楽天カードの引き落とし先口座を楽天銀行に指定すると、楽天市場で商品購入時のポイント還元率が+1%になります(SPU:スーパーポイントアッププログラム)
楽天市場は楽天のショッピングサイトで、書籍や日用品などかなり豊富な品ぞろえです。
また普通の商品を買うのと同様にふるさと納税を行うこともできます(ポイントでふるさと納税も可能)。
楽天カードについては下記でも書きましたが、楽天ゴールドカードが一番オススメです。
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楽天カードを比較する 【楽天ゴールドカードがオススメ】
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楽天ゴールドカードの発行や先述した楽天証券での口座開設等、いくつかの手順を踏むことで楽天市場でのポイント還元率は+9〜10%程度は低コストで達成可能です。
楽天銀行・楽天カード・楽天証券など楽天サービスへ一本化することは"楽天経済圏"と呼ばれることがあります。
楽天サービスを色々と利用すると大量にポイント還元が得られる
貯めたポイントをクレジットカードの支払いに充てることで無駄なく消費できる
楽天銀行 イオン銀行との比較
ネットバンク大手で、楽天銀行のライバルであるイオン銀行と比較してみましょう。
金利・他行振込手数料・ATM利用手数料
イオン銀行では普通預金の金利・他行振込手数料無料回数・ATM利用手数料無料回数は、イオンカードやWAONの利用金額に応じて決定されるステージ制となっています。
ステージのポイント獲得条件はかなり細かいので、下記公式サイトを参照ください
この中で少し手間をかければ低コストで達成可能なのはゴールドステージです。達成しやすそうな下記全てで130点=ゴールドステージなので、いくつか達成できなくても大丈夫です。
- イオンカードセレクトの発行:10点
- イオンカード利用代金1円以上:10点
- WAON利用1円以上:10点
- 外貨預金残高1円(1ドル永久ホールドで可):10点
- iDeCo掛け金引き落とし口座(証券口座は別会社で可):30点
- インターネットバンキング登録:30点
- 給与受け取り:30点
プラチナステージ(150点)はWAONでの定期的な買い物や「イオンゴールドカード」の発行がないと達成は厳しいでしょう。
上記を踏まえて、楽天銀行とイオン銀行(ゴールドステージ)を表で比較してみます
銀行・ステージ | 楽天 プレミアム | 楽天 VIP | イオン ゴールド |
普通預金金利 年率 ※楽天はマネーブリッジ利用時 |
0.1% | 0.1% | 0.05% |
提携ATM手数料無料回数(月) | 2回 | 5回 | 3回 |
他行振込手数料無料回数(月) ※楽天は給与振込口座の場合 |
3回 ※給与振込口座指定がないと2回 |
3回 | 3回 |
イオン銀行の金利はゴールドステージで0.1%、プラチナステージで0.15%でしたが、2020/4/30〜現行値に下がってしまいました
表の通りで、楽天銀行とイオン銀行のサービスは遜色ないことがわかります。金利に関しては楽天銀行の方が上回っています。
ポイント
楽天証券や給与振込口座指定といったハードルはあるが、それをクリアできるなら楽天銀行のほうが有利
ATM手数料についての注意
イオン銀行はネットバンクですが自社ATMがあります。
自社ATMであるイオン銀行ATM(ミニストップや一部駅にも設置)では24時間365日完全手数料無料です(回数制限なし)。
この点で、ATM手数料無料回数については自社ATMのない楽天銀行と自社ATMを持つイオン銀行で単純比較ができない点に注意してください
イオンをよく使うならやはりイオン銀行が有利
イオン銀行を使う場合発行することが多いイオンカードセレクトでは、毎月0のつく日にイオンでの買い物代金が5%OFFになるキャンペーンがあります。
食料品など、日常的な買い物をイオンでする場合はかなり有利でしょう。
またイオンをよく使うなら、イオンゴールドカードの発行条件である「イオンカードで年間100万円以上の買い物」も達成可能かと思います。
この場合、プラチナステージにランクアップできれば、金利面でも楽天銀行と同等です。
ポイント
日常の買い物の多くがイオンで完結するような土地で生活されている場合は、イオン銀行の方が有利
イオン銀行 VS 楽天銀行 結論
重要ポイント
- イオンで食料品や日用品を多く購入するならイオン銀行の方が良い
(とくにイオンカードセレクトの5%OFFは大きい) - 楽天銀行は楽天証券との連携・給与振込口座指定をすれば他の手間がない
↔給与振込口座指定ができない場合はイオン銀行が有利になる - 総合的にはイオン銀行ゴールドステージの金利低下(0.1%→0.05%)もあり、楽天銀行の方が優勢
楽天銀行のデメリット
楽天銀行の主なデメリットは下記2点です。
- 自社ATMがなくATM無料利用回数が少ない
- 紙の通帳がない
自社ATMがなくATM無料利用回数が少ない
楽天銀行一番の弱点は、自社ATMを持たずATM利用手数料がかかりやすい点です。
また無料利用回数も銀行残高が少ない場合やや心もとない回数です。上述の通り銀行残高で変化しますが
- 銀行残高100万円〜(VIPランク) 月5回まで無料
- 銀行残高50万円〜100万円(プレミアムランク) 月2回まで無料
- 銀行残高10万円〜50万円(アドバンストランク) 月1回まで無料
10〜50万円だと月1回のみとなるので、なるべく50万円以上をキープしたいところです
ただこれに関しては生活を工夫して現金払いを減らすことで、十分カバーできるものと思います。
具体的には下記のとおりです
- コンビニ・スーパー・ドラッグストア等キャッシュレス決済への移行
- 水道光熱費も可能な限りクレジットカード払いが銀行口座引き落としに
- コンビニ振込ではnanacoを活用(リクルートカードないしセブンカードチャージでポイントがつく)
キャッシュレス決済の導入:日常の出費
日常の生活費の多くは、キャッシュレス決済(クレジットカード含む)で支払い可能になりました。
変動費である日用品や食費を購入するコンビニ・スーパー・ドラッグストアでは、99%キャッシュレス決済が可能です。
クレジットカード払い・銀行口座引き落とし+コンビニ払いでnanacoの活用
それ以外の固定費である家賃・水道・電気・通信費(スマホ回線)・NHK受信料等もクレジットカード決済ないし、指定銀行口座からの自動引き落としが選べることが多いです。
また税金などコンビニ支払いをするものでも、セブンイレブンでのnanaco支払いやファミペイ支払いが可能となってきました。
nanacoはクレジットカードでチャージすれば現金不要かつチャージ時にポイントが付きます。現在はセブンカードからのチャージにしか対応していません
リクルートカードでnanacoチャージをすると1.2%のポイントが貰えますが、2020/3/12〜登録できなくなりました
キャッシュレス決済のメリット:ポイントが付く、小銭管理が不要、時間短縮
キャッシュレス決済では手段にもよりますが、1%程度ポイントが付くことが多いです(QRコード決済のキャンペーン等を利用すればもっと上がる)。
たかだか1%ですが回数や額が多いと馬鹿になりません:年間100万円なら1万円変わります。
最初に現金→キャッシュレス決済へ移行するには心理的ハードルがありますが、一度慣れればそれで終わりです。
そもそもキャッシュレス決済の方が会計が早く、小銭を数えたりもらったりの管理が不要となるため時間短縮に繋がります。
支出管理も行いやすくなる:マネーフォワードの利用
また支払いをキャッシュレス決済とすることで、支払い履歴が自動記録されていきます。
ここでマネーフォワードという自動家計簿アプリを使うことで、クレジットカードの支払情報を自動で取り込み家計の支出を一元的に把握できるようになります。支出を把握することは資産形成の第一歩として必須です。
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ポイント
ATM利用回数を気にする前に、キャッシュレス決済へ移行しATM利用頻度を減らす
通帳がないこと
楽天銀行はネットバンクなので紙の通帳発行がありません。入金・支払い履歴などは全てネット上で参照することになります
ただ今どき通帳のコピーを求められる場面も少ないと思いますが…
と書いていて思い出したのですが、特別定額給付金(COVID-19対策での10万円給付金)の申請書類準備でメガバンクの通帳口座のコピーを久しぶりに使いました。
特定給付金に関してはネットバンクでの申請も可能なようですが、まだまだネットバンクへの一本化は難しそうですね。
楽天銀行 口座開設 キャッシュカードの種類
実際に作る場合に多くの方が悩むと思われるのが、カードの種類をどうするかです
名称が紛らわしいのですが、楽天銀行カード(キャッシュカード)と楽天カード(クレジットカード)があります。
楽天銀行カードには4種類あります。基本は銀行で使うキャッシュカードです
- 楽天銀行デビットカード
- 楽天銀行プリペイドカード
- 楽天銀行カード(クレジット機能付き)
- 楽天銀行キャッシュカード
一方、楽天カードは3種類があります。楽天銀行カードと名前は似ていますが、楽天カードはクレジットカードです。
- 楽天カード(年会費無料)
- 楽天ゴールドカード(年会費2,200円)
- 楽天プレミアムカード(年会費11,000円)
ここで重要な点として、楽天銀行カード(キャッシュカード)でクレジット機能をつけてしまうと、楽天カード(クレジットカード)が作れなくなります。
下記でも詳しく書きましたが、楽天カード(クレジットカード)に関しては楽天ゴールドカードを持つのが利便性・還元率の面でおすすめできます。
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楽天カードを比較する 【楽天ゴールドカードがオススメ】
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そのため楽天銀行カードではデビットカードを作成し、楽天カードで楽天ゴールドカードを作るという戦略が最も良いでしょう。
ポイント
- 楽天銀行のキャッシュカードはデビットカードがオススメ
- キャッシュカードにはクレジット機能を付けず、楽天カード(クレジットカード)を別途発行しよう
なお、楽天銀行の場合デビットカード支払いでも1%ポイント還元が得られるのもメリットです
(デビットカードではポイントが付かないことが多い)
まとめ
楽天銀行は楽天サービスの一つであるネットバンクです
- 給与振込口座指定で他行振込手数料無料が月3回無料
- 楽天市場でのポイント還元率が+1%
- 楽天証券との連携で普通預金金利がメガバンクの100倍(0.1%)
- イオン銀行の金利低下によりネットバンクトップクラスの金利&使い勝手になった
ただしイオン実店舗をよく利用する場合はイオン銀行の方が良い - キャッシュカードはデビットカードの発行がオススメ(クレジット機能は楽天カードを別途発行)